住旅コラム更新|みじかよの7月

『日常の晴れと褻』

住旅コラム 2024.6

  • 旅の続き

    数カ月間の目まぐるしく楽しかった住まいづくりの旅が終わると、新たな家族での暮らしという旅が始まります。誂えを尽くした住まいという器の中にご家族でどんな料理や味付けをしていくのか、ご家族の歴史を物語るその旅の続きと日常の中の晴れと褻の愉しみ方を豊かな季節の移ろいと共にご紹介していきます。

ひながの6月

田植えが終わり、水を張った田んぼが青々と輝く6月。日を追うごとに日が長くなり夏至へと向かう季節。梅雨入り前の朝から日が暮れるまで、自然と共に長い「昼間」を思いっきり楽しむOB様宅を訪問し、お住まいの「お気に入りの場所」とそこに纏わるこだわりの住まい方のお話を伺ってきました。

Data

毎朝のスタートはこのこだわりの造作キッチンから

材木屋さんまでスタッフと一緒にカウンターの一枚板を探しに行って造作したお気に入りの木製キッチン。時と共に味わいのある色と風合いを増しています。このキッチンにして「全く後悔ないです!」と言い切る奥様の笑顔が印象的でした。
  • 5:30

    早起きの奥様は、毎朝ロールスクリーンを上げ家の中に光と風を入れヨガをするのが日課。その横ではご主人が夜に仕込んでおいたホームベーカリーの芳しい香りが漂い始めます。ゆっくり丁寧にドリップしたコーヒーと焼きたてパンの朝食。この上ない贅沢でゆったりとした休日の日がこうして始まります。いつもの朝もこのキッチンに家族が集うところからスタートです。

冷蔵庫はキッチン脇のパントリー内に設置しているので 見た目すっきり。煩雑に見える小物はカゴやブリキのBOXを上手に使っておしゃれに可愛く収納。開口部に太く回した化粧の額縁も海外のお家のようでお気に入り。
食洗機の扉も造作キッチンの雰囲気に合わせて誂え
ダルトンの雑貨がお気に入り

風景の一部となるナチュラルな外観

  • 9:00

    朝食が終わると子供たちは待ちきれないとばかりに外へ飛び出します。取材に伺ったこの日もご主人と長男君は近くの用水路でザリガニ採りをしていました。お休みの日はご主人が釣り好きということもあって、お出掛けも海や沿部、蔵王などの自然を満喫。木板を全面に施した外壁は周囲の自然いっぱいの風景にも違和感なく溶け込んでいます。敷地を囲む木フェンスや外構工事はご主人が一年がかりで手作りしたものウッドデッキのペンキ塗りもご自身でされたそうでいまはガレージを考案中。F様邸はまだまだ完成途中!?のようです。

自宅にいる時は広いウッドデッキに出て自然を感じながら遊んだり、食事やBBQを楽しむことも。夏は庭の芝生でビニールプールを楽しむことも多いそう。子供たちの笑い声が弾んでいました。
大好きなお家
大好きな愛車
大好きな家族
この日の太陽のように笑顔が弾けていました

家族時間を楽しむLDK

  • 15:00

    目いっぱい外遊びをした子供たち。休日の今日はおやつも家族揃って「いただきます!」パーケットフロアが印象的なLDKの床は時々オレンジオイルで磨きをかけお手入れされているそう。その優しい色合いと質感がゆったりとしたリビングでの家族時間を演出し、時を経る程に木の味わいが深まり愛着も増していきます。住みながら丁寧に家を育てていく暮らしを愉しんでいらっしゃいました。

「おやつの前に手を洗ってね!」Rの壁をくぐって手を洗う洗面台もこだわって作ったものの一つ。清潔感のある白いタイルと木で造作し、下部のオープンな収納棚には木箱を使うことで上手に雰囲気をまとめていらっしゃいました。
今日のおやつは近所にあるカフェ。Salon de the KURIHARAの焼き菓子をテイクアウト 栗の形のクッキーがなんともキュート。ベイクドチーズケーキや紅茶も絶品のお店です。
  • ミッドセンチュリー系などのアンティークな家具がお好きなF様。玄関に置かれた椅子やテーブルは奥様のお父様から譲り受けたもの。リビングの一角にあるアンティークなチェストの上にはお子様の好きな恐竜のフィギュアや古いレコードが飾られていたり、新しいものと古いものも違和感なく馴染んでいました。仙台のアンティーク家具ショップ「ローズボール」さんもお気に入りのお店。

  • 日々の忙しい時間の中でも休日はお子さんや家族との時間をとても大切にされていると感じました。お友達も一緒にBBQをしたりF様邸に集うこともしばしばだそう。

大迫力の自然を居ながらにして感じる

  • 17:30

    奥様がお仕事から帰宅する頃、キッチン西側のテラス窓からお出迎えしてくれるかのように見える夕景がとても好きだそう。ちょうどこの季節は水を張った田んぼに夕陽や夕焼けが映り込み、キラキラと輝き幻想的な情景を醸し出す。二階のヌックの大きな窓越しで息子さんも夕陽を見つめる。自然の圧倒的な美しさと壮大さに言葉を失いただただ五感でそれを「感じる」。日々の当たり前が心を豊かにしてくれる。この風景に癒されながら今日も夕飯の支度に取り掛かる贅沢。

  • 21:00

お子さんたちが寝静まって一段落すると、その日の気分に会う照明を灯して昼間の賑やかさとはまた少し違った大人時間を愉しむそう。F様自らこだわって探した照明器具の数々がそれぞれの雰囲気を醸し出します。

「お家の外も中も大好き! 」

元々自然の中で暮らしたいというご希望のあったF様。時には洗濯物に紛れていた虫に悩まされたり、建物にたくさん使っている木材たちもお手入れが必要だったりと楽なことばかりではないけれど、虫が出てくれば子供たちは喜ぶし、なんでもDIYできるご主人が家のメンテナンスも愉しんでされている様子に 本当に自然と共存し、有機的な住まいづくりや暮らしをされていると感じました。以前はアパート住まいでお住まいに対してのストレスもあったそうですが、いまはストレスも無くお過ごし頂けているとのこと。お子さんたちは家の中でも外でも遊びながら自然と様々なことを学び身についていくことでしょう。「お家大好き!楽しい!」と言ってくれたお兄ちゃんの笑顔がとても嬉しかった今回の訪問となりました。

『日常の晴れと